【書評】『まるごとアコギの本』——大人向け・趣味としてのアコギの本

 以前少し書いたが、ギター初心者向けのウェブサイトを作ろうとしている。そのために、どんなことを書いたらよかろうと、まずは市販されているエレキ・アコギの教則本をパラパラと立ち読みしたり、図書館で読んだりして、リサーチしている。(ちょっと前に教則本の類を全て売ってしまったことを、少しだけ後悔している。)

 しかしまあ、実際に色々と読んでみると気が付くけれど、どの教則本も同じようなことしか書かれていない。また、文字も少なくてほとんど楽譜が紙面の大部分を占めている。

 うーん、これは困った。あまり図を制作して説明するのは得意でもないし、第一面倒である。

 また、かといってYouTubeでのレッスン動画も、アフタービートの瀧澤さんがいる時点で、もはや今頃やる必要性を感じない。べしゃりは上手くないし、第一面倒である。

 そんなことを考えてる最中、たまたま手に取ったのが本書『まるごとアコギの本』である。今年の7月の末に出版された本だから、かなり新しい本だ。

  著者の山田篤志氏は、「初心者のためのアコースティックギター上達テクニック」というウェブサイトの管理人。本書のコンセプトは、「大人のための、趣味としてのアコギの楽しみ方」といった感じ。教則本としては珍しい、文字だらけの本である。

この一冊でこの情報量

 長らくギターを弾いている人にとっては、目新しい内容はないのだけれども、筆頭すべきはこれだけの情報量が1冊の本としてまとまっていること。アコギ向けとしては珍しい、エフェクターなどの機材のことから、はたまた音楽理論の触れ込みまで、網羅されている。

 また、指が痛くならないための、コンパウンド弦の使用や、1音下げ+2カポのアイデアなんかも、熟練者にお馴染みの知識でも、本当に知るべきギター初心者にはあまり知られていないのが実情である。

 大人向けに書かれているとはいえ、ギターを始めたばかりの中学生や高校生にも、おおいにお薦めできる本。なんだけど、活字慣れしていない十代には、ちょっと馴染みにくいかなあ。理想としては、この本をギターを始めた10代のうちに買っておいて、いまいち馴染めなくても売らないで手元に持っておけば、その後数年間は役に立ってくれると思うけれど。

 しかしまあ、これだけいい本が売られているなら、果たして僕はどのようなアプローチで書いていけばいいのやら、思案してしまう。