【カネトショ】第四話 布団を雨に濡らして、絶望!

本日深夜の話。(毎度のことながら、原稿用紙での執筆時)
布団をびしょびしょにしてしまった。

寝小便をしたわけではない。雨に濡らしてしまった。ついでにいうと、マットレスと敷布団だ。ことのきっかけはというと、昨日の朝、起きてから布団を畳んでしまうついでに干した。俺は布団を干すのが好きだ。暇さえあればいつも干している。今は暇ばかりなのでいつも干している。

昼間、机の上でPCを使っていた。自分の机は大きな窓を背にした場所に置いてある。そして、その大きな窓の場所で布団を干せるようになっている。問題は、昼間のうちは、窓から差し込んでくる日光が、PCの画面に反射して、見にくいことこの上ない。だから、PCを使うときはカーテンを閉めている。(昼間からカーテンを閉めて、まるで根暗のようだ)

あとは、もう想像の通りだ。カーテンの向こうの世界なんて、よく忘れてる。おまけに昨日は母が家に来ていたのもまずかった。夕方母がうちに来てから、色々とバタバタしてたら、自分の部屋のことなんて、てんで意識の外だった。

夕方六時過ぎ、不運は始まった。バケツをひっくり返したような雨が突然降ってきた。俗に言う、ゲリラ豪雨というやつだ。そんな中俺は、
「帰るとき大変だね」だなんて母に呑気なことをぬかしてした。

夜の十時過ぎ、いつもよりだいぶ遅くなったが、母が帰ることになったので駅まで見送った。ついでにTSUTAYAに行って映画を三本借りた。我ながらいいチョイスだった。

家に帰って、まず風呂に入り、冷蔵庫から濁酒を出し、グラスに注いで、借りた三本のうちの一本、チャップリンの『モダン・タイムス』を観ることにした。途中口が寂しくなったもんだから、台所に行って、おもむろにポップコーンを作り出した。味付けは変わり種で、砂糖にしてやった。ついでにそばでいつも通りPCに向かってなりやらやっていた弟にも、半分わけてやった。

濁酒とポップコーン、文句なしの組み合わせ。そしてチャップリンは最高。

深夜三時過ぎ、映画も観終え、いい加減寝ることにした。相変わらず、宵っ張りは直らない。布団を押入れから出そうとした時、全てを悟った。悟るとは随分大げさな表現のようだが、あるべき場所にそれらがないんだから、悟るしかない。

恐る恐るカーテンをめくると、そいつらはそこにあった。そこになくても困っただろうが、そこにあってもすこぶる困った。やっぱり恐る恐る、敷布団に触れてみると、当たり前だが、雨に濡れてじっとりしていた。もちろんマットレスも同様だった。マットレスが半分程度覆いかぶさっていたので、敷布団のその部分だけ、まるで「自分には関係ありません」とでも言いたげに、全くの無傷だったのが、なんだか面白かった。

もう駄目だ。これまでだと思った。いっそ、この窓から飛び降りようかと思い、窓辺に立ってみると、湿り気を帯びた夜風がひんやりとしていた。それは酔いと諦めでおかしくなっていた頭を、冷やしてくれるのには不足なく、とても心地よいものだった。窓辺に立って夜風に吹かれてみると、飛び降りることにも満足した。

ついでに言っておくと、その後すぐに布団は干した。屋上の自分の部屋よりももっと陽当たりの良い場所にそれらを持って行き、シーツと敷布団のカバー、マットレスのカバーを全て剥がして、すぐに洗濯した。今日一日干してだいぶ乾いたのが救いである。だって、あの時は本当にこの世を感じてしまったんだから!

本日の読書:一冊も読まなかった代わりに、チャップリンの『モダン・タイムス』を観た。

元原稿の執筆時不明。おそらく六月七日頃。
ちなみに、その後二日間くらいかけて布団は干した。(運悪く、雨が多かったのでほとんどの時間が室内干しになってしまったけど)

その間、布団無しで、カーペットの床にシーツだけ敷いて、掛け布団を被って寝ていた。さすがに二日続けてそんな状態で寝ていたもんだから、背中が痛くなったのは言うまでもない。