LG 29WP500-Bと29WL500-Bの違い!結論、安い方買えばいい

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LG 29WP500-Bと 29WL500-Bの違い サムネイル

以前書いた記事のように、LGの29インチウルトラワイドモニター「29WP500-B」を一年半ほど使用した。この記事を書いた後に気が付いたのだが、同じLGの29インチウルトラワイドモニター、「29WL500-B」との違いについて気になっている人が多いようだ。

確かに、29WP500-Bと29WL500-Bは、名前の違いはPとLの一文字だけだし、見た目やスペックを見てもどこが違うのか、間違い探しのようで非常にわかりにくい。そこで、この記事ではこれら2つのモデルを比較し、何が違うのか解説していく。

先に結論を述べてしまうと、いずれのモニターも実用上の違いはほぼないので、その時安く売られている方を買ってもらえばいいというのがこの記事の結論となっている。

なお、現在は29WP500-Bは売却し、今はINNOCNの40インチウルトラワイドモニター「WR40 PRO」を使用している。

LG 29WP500-Bと29WL500-Bの比較と共通スペック

項目 LG 29WP500-B LG 29WL500-B
発売年 2021 2019
画面サイズ 29インチ 29インチ
解像度 2560×1080 2560×1080
パネルタイプ IPS IPS
アスペクト比 21:9 21:9
色域 (標準値) sRGB 99% (CIE1931) sRGB 99% (CIE1931)
輝度 (標準値) 250 cd/m² 250 cd/m²
最大リフレッシュレート 75 Hz 75 Hz
応答速度 5ms (GTG Faster設定時) 5ms (GTG Faster設定時)
HDRサポート あり (HDR10) あり (HDR10)
消費電力 (標準時) 22W 24.5W
消費電力 (最大) 25W 27W
外形寸法 (スタンド装着時) 689×405×224 mm 698×411×209 mm
重量 (スタンド装着時) 4.5 kg 5.2 kg
入出力端子 HDMI × 2, ヘッドホン出力 HDMI × 2, ヘッドホン出力
VESAマウント対応 あり あり
内蔵スピーカー なし なし

LG 29WP500-Bと29WL500-Bの大まかなスペックや仕様は上記表の通り。

結論から言うと、根本的なモニターとしてのスペックは全く同じであり、これら2機種を比べても実用上の違いはほとんどない。

以下では、これら2つのモデルに共通している基本スペックを述べていく。

29WP500-Bと29WL500-Bの基本スペック

画面サイズ

29インチのウルトラワイドモニターとなっている。ちなみに、29インチというのは対角線の長さを指している。

ウルトラワイドモニターのイラスト

アスペクト比

21:9という普通のワイドモニターよりも横に広いアスペクト比。これによりマルチタスク作業はもちろん、映画鑑賞にも最適。

解像度

2560×1080の解像度を持っており、29インチウルトラワイドモニターとして必要充分な解像度。画面の綺麗さという意味では一般的なフルHD(1980×1080)と同等。

パネルタイプ

IPSパネルを使用しているのでTNパネルやVAパネルと比べ、広い視野角と優れた色再現性を実現している。

色域

sRGB 99%の色域をカバーし、色精度が高い。

輝度

250 cd/m²の標準輝度で、多くの環境で快適に使用できる明るさ。

リフレッシュレート

75Hzのリフレッシュレートによりマウスカーソルも滑らかで、一般的なPC作業やカジュアルなゲームプレイには必要充分。反対に、Apexなど本格的なfpsゲームには心もとないリフレッシュレートとなっている。

入出力端子

HDMI × 2入力とヘッドホン出力を搭載。よりハイスペックなDisplayPortやUSB Type-Cの入力端子は非搭載となっている。

VESAマウント対応

VESAマウント(100mm x 100mm)に対応しているので、モニターアームへの取り付けが可能。僕自身、Amazonベーシックのモニターアームに取り付けて使用していた。

スピーカー非搭載

スピーカーは搭載されていないため、外部スピーカーまたはヘッドフォンの使用が必要となる。個人的にはモニター搭載のスピーカーなんて音がしょぼくて使う気にならないので、この点は全くネックにならなかった。

上記の通り、29WP500-Bと29WL500-Bは、29インチウルトラワイドモニターとして至って標準的な仕様となっており、何度もこの言葉を使ってしまうが、必要充分という言葉がしっくりくるモニターだ。

基本的な仕様が全く同じな以上、使用感も変わらないので、その時安い方を買っておけばOKというのが、僕の主張だ。

29WP500-Bと29WL500-Bの細かな違い

上で述べたように、29WP500-Bと29WL500-Bは基本的な仕様が全く同じなので、その時安い方を選べばOK。しかし、それでもこれら2機種の違いが気なる人のために、以下で細かな違いを述べていく。

29WL500-Bはamazon.co.jp限定商品

29WL500-Bは、Amazon限定の商品となっている。事実、LGの商品ページを見てみると、29WL500-Bについては公式サイトからの購入ボタンもなく、Amazonでのみ購入可能なようになっている。

それに対し、29WP500-Bは公式サイトはもちろん、エディオンやコジマなどの各オンラインショップで購入可能だし、Amazonでももちろん取り扱われている。なお、僕もAmazonでアウトレット品を購入した。

じゃあAmazon以外では29WL500-Bの取り扱いがないかというと、そんなことはなく楽天なんかでも普通に取り扱われている。あくまでLGが公式に卸しているのはAmazonのみという位置づけなんだと思うが、29WL500-Bが欲しければ素直にAmazonで買うのが良いだろう。

2019年モデルと2021年モデル

これら2機種には2年の発売時期の差があり、29WL500-Bは2019年発売、29WP500-Bは2021年発売となっている。

では、この2年の差により、29WP500-Bは後継機種として進化したかと言うとそんなことはなく、前述した通りモニターとしてのスペックは「全く同じ」で止まっている。

ただし、後述のように、重量やサイズは29WP500-Bの方が若干小さくなっており、消費電力も僅かながら少なくなっている。これらは2年分の差と言えるかもしれない。

HDCP1.4とHDCP2.2の違い

29WP500-Bと29WL500-BではHDCPのバージョンが異なっており、前者がHDCP2.2、後者がHDCP1.4となっている。

HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)とは、デジタルコンテンツの著作権保護を目的とした技術で、デジタルオーディオやビデオのコンテンツを不正コピーから保護するために使用される。

より新しいHDCP 2.2は、4Kコンテンツの保護規格として設計されており、最新の4K映画やテレビ番組を視聴する際にはこの規格に対応している必要があり、この場合は29WP500-Bが適している。

しかしながら、29WP500-Bと29WL500-Bの解像度は2560×1080。これは4K解像度(3840×2160)よりも低いため、実際にこれらのモニターで4K UHDコンテンツをフル解像度で楽しむことはできない。

HDCP 2.2とHDCP 1.4の違いが実際に影響を与えるのは、4Kコンテンツを視聴しようとした時に限られ、さらに言えば、これらのモニターの解像度を考慮すると、その影響は非常に限定的。そもそも、NetflixやAmazon Prime Videoなど、いずれも基本的に4Kコンテンツはオリジナル作品がほとんどなので、観れるコンテンツ自体も少ない。

結論として、29WP500-Bと29WL500-Bの間でHDCPのバージョンの違いによる実際の影響は限定的であり、ウェブブラウジングや、文書作成、YouTubeのような非保護コンテンツの視聴などでは、これらの違いが影響することはない。

したがって、これら2機種の選択においてHDCPのバージョンを重要な判断基準とする必要はなく、価格などその他の要素を優先して考えるべきというのが、僕の意見だ。

サイズと重量の違い

29WP500-Bと29WL500-Bを比較すると、サイズと重量が若干異なっており、後継機種の29WP500-Bの方がサイズと重量それぞれ若干小さくなっている。

29WP500-B 29WL500-B
スタンド装着時サイズ
(幅×高さ×奥行) [mm]
689×405×224 698×411×209
スタンド非装着時サイズ
(幅×高さ×奥行) [mm]
689×313×77 698×318×77

上記表から、29WP500-Bの方が液晶周囲のベゼルが横で1cmほど、縦で5mmほど小さい設計になっていることがわかる。

より大きな差が出ているのが重量面で、29WP500-Bがスタンド非装着時で4kg、スタンド装着時で4.5kgなのに対し、29WL500-Bでは4.7kgと5.2kgとなっており、いずれも700g重い仕様になっている。

29WP500-Bを使用していたときはその軽さは実感しており、ひょいっと持ち上げて気軽に移動させられる重量だった。とはいえ、これが例え700g増えたからといって、大きな違いになるとも思えない。29WL500-Bであっても、女性でも何不自由なく一人で設置できる重量には変わりないだろう。

消費電力の違い

サイズや重量と同様、後継機種の29WP500-Bの方が若干消費電力も少なくなっており、標準時で22W、最大時で25Wとなっている。それに対し、29WL500-Bはそれぞれ24.5Wと27Wと、基本的に2W程度は消費電力が大きいことがわかる。

これら2機種の消費電力の差に基づく電気代を比較すると、2024年現在、日本の全国平均は1kWhあたり31円の電気代になっているので、これを基準にして計算してみる。

仮に両機種を1日8時間、標準的な消費電力で使用すると仮定した場合、1ヶ月(30日)の電気代は次のようになる。

29WP500-B

22W × 8時間 × 30日 = 5.28kWh × 31円/kWh = 約163.68円/月

29WL500-B

24.5W × 8時間 × 30日 = 5.88kWh × 31円/kWh = 約182.28円/月

この計算によると、29WP500-Bを使用する場合、29WL500-Bに比べて毎月約18.6円の電気代が節約できることになる。この差額は年間に換算すると約223.2円となり、長期的な観点から見れば、29WP500-Bの方が電気代分お得になる。

この差をどうと見るかは人それぞれだが、個人的には僅かな消費電力の差から来る電気代よりも、本体価格を選んだほうが良いと考えている。

その他におすすめの29インチウルトラワイドモニター

LGの29WP500-Bと29WL500-B以外にも、現在はLG含め様々なメーカーから29インチウルトラワイドモニターは販売されている。ここでは、Amazonからピックアップしたいくつかのモデルを紹介する。

LG – 29WQ600-W

発売年は2022年と、29WP500-Bよりも後発モデルとなる。解像度や画面輝度は変わらないが、最大リフレッシュレートが100 Hzまで上がっていたり、7W+7W(ステレオ)のスピーカーが内蔵されていたりと、スペック面を見ると上位機種となっている。

また、HDMI入力が1つに減っている代わり、DisplayPortとUSB Typle-Cの入力端子がそれぞれ一つずつ付いていたりと、よりPCとの接続方法の選択肢も増えている。

より高いリフレッシュレートを求める人や、Type-CケーブルでPCと接続したい人に特におすすめのモデル。

JAPANNEXT – JN-i2975WFHD

JAPANNEXTはお手頃な値段でモニターを販売している日本メーカーで、ウルトラワイドモニターも多数ラインナップされている。

このモデルは、29インチで解像度が2560 x 1080、リフレッシュレート75 Hzと、LG 29WP500-Bなどと同じスペックだが、HDMI × 2、DisplayPort × 1と、LGよりも入力端子が豊富なのが魅力的。

よりお手頃価格で日本メーカーの製品が人におすすめのモデル。

アイリスオーヤマ – ILD-AW29FHD-B

安い家電で有名なアイリスオーヤマからもウルトラワイドモニターは販売されており、ご多分に漏れず、他メーカーと比べても価格は安め。スペック自体は特段述べるほど他と変わりがあるわけではないが、HDMI × 2、DisplayPort × 1と入力端子が豊富な点は魅力的。

Acer – CB292CUbmiiprx

台湾メーカーAcerの29インチウルトラワイドモニター。

スペックは他の同様といった印象だが、応答速度が1ms(VRB)と異様に速いのが気になるところ。応答速度にもこだわりたいゲーマーにはおすすめと言いたいところだが、所詮リフレッシュレートは75Hzなので、あまり他との違いはないかも。

入力端子はHDMI × 2、DisplayPort × 1とやはりLGよりも一つ多い。

MSI ‎- OPTIX-MAG301RF

ゲーミングPCを得意としているMSIから販売されている、29.5インチのゲーミング向けウルトラワイドモニター。

解像度は他のモデルと同様、‎2560 x 1080だが、Rapid IPSパネル採用により、最大リフレッシュレートが200Hz、応答速度が1ms(GTG)と、明らかにゲーミング用途に特化した仕様となっている。

当然、価格もLGなどの一般的な29インチウルトラワイドモニターよりも高くなっているが、ウルトラワイドモニターでかつゲーミング用途に優れた商品はそんなに選択肢がないので、ゲーマーにとって有り難いモデルとなっている。

ASUS – VG30VQL1A

ASUSのゲーミングブランド「TUF Gaming」から出ている29.5インチのゲーミング向けウルトラワイドモニター。

解像度は 2560 × 1080と他と同様だが、最大リフレッシュレートが144Hz、応答速度1msとゲーミング用途に特化した仕様。さらに29インチウルトラワイドモニターでは珍しく、VAパネルを採用した湾曲モニターとなっている。これにより、ゲームプレイ時にさらなる没入感を得られるのが期待できる。

値段はMSIのものよりもさらに高くなっているが、湾曲パネルの29インチウルトラワイドモニターが欲しい人には、ぜひともおすすめしたいモデル。

このように、29インチウルトラワイドモニターはLG含め様々なメーカーから販売されており、今後もウルトラワイドモニターの一般化によりどんどん登場すると思われる。

それらほとんどは似たりよったりのスペックなので、その時安くなっているモデルを選ぶような買い方でもいいと思う。しかし、MSIやASUSのようにゲーミングに特化したモデルも中には存在しているので、ぜひとも自分の用途に合うモデルを選んでほしい。

まとめ

LGの29インチウルトラワイドモニター、 29WP500-Bと29WL500-Bの違いを見てきた。結論としては、モニターとしての実用上の大きな違いはないので、その時安く売られている方を選んでもらえば大丈夫だ。

いずれのモニターも、29インチのウルトラワイドモニターとして、至って普通のスペックのモデルとなっているが、言い換えると必要充分なモニターとして仕上がっており、初めてウルトラワイドモニターに挑戦する人にとっていずれも失敗のない選択肢だ。

また、これら2モデル以外にも、29インチのウルトラワイドモニターはLG含め様々なメーカーから発売されており、それらのほとんどが似たりよったりのスペックとなっている。なので、言い換えるとどれを選んでも外れはないので、その時安く売られているモデルを好きに選んでもらえばと思う。

ウルトラワイドモニターを導入する作業効率の向上効果はとてつもなく大きいので、せっかく外部モニターを導入するなら、ぜひともウルトラワイドモニターを購入してほしい。