バンドマンはクズ男!下手なくせに「練習しなくても感覚で弾ける」とか言っちゃう元彼ベーシストの話。

音楽コラム
ベーシストとギタリスト

こんにちは、中央線の女です。

前回から始めたこのコラム、読んでくださっている方も今日がはじめましての方もいらっしゃるかと思うので、簡単に説明。

バンプの藤くんをきっかけにバンドマンにハマりこんだ私こと中央線の女が、この20数年の中で出会ってきたバンドマンたちの「クズ」な生態を自由に書き連ねていこう、というコラム。(詳細な自己紹介は前回の記事を参照)

こんなコラムの投稿を許してくれた、このサイトの代表(柳下企画さん)も、相当心が広いと思う。自分もバンドマンやのに(笑)。

それにしても夏は、バンドマンの季節、いや、フェスが盛り上がる季節。私は仕事の関係上、今年はとあるフェスにお邪魔できそうな予感なので、楽しみ。うん、バンドを聴くのも楽しみだが、これでもか!というくらいにバンドマンを拝めることも期待している。

ということで、今回も色々とお話していきたいと思う。

エピソード2〜連れて行かれた彼氏バンドのスタジオ練習風景は、下手クソメンバーたちによる地獄絵図だった!

たとえクズでも、バンドマンなら付き合っちゃう

大学卒業する少し前に付き合い始めたバンドマン、ユウタ(もちろん仮称)。9mmの菅原卓郎みたいな、天然パーマのアフロヘアに切れ長の目。元々Twitterで繋がっていた顔見知り程度の人だったが、向こうからの強い押しで、付き合うことになった。

ちなみにユウタはベーシスト。

ユウタはとにかく自分語りが大好きで、人の話なんて殆ど聞かない。Twitter界隈で繋がったということもあって、ユウタは私の通ってる大学のことすら、あまり知らないくらいだった。(まあ、このことすら十分にクズなエピソードだと思うが、今回はそのことが話題ではない。)

そんな男となんで付き合ってたの?と聞かれても、今の私にはよくわからない。でも理由を挙げるとするならば、彼がバンドマンだったから、だろうか。

彼女をスタジオに連れて行くのは、バンドマンのステータス

ユウタは時々、私を練習スタジオに連れて行ってくれていた。彼女をスタジオに連れて行く、というのはバンドマンのある種のステータスなんだろう。ユウタと同じバンドの仲間とも、その関係で時々つるんでいた。

その時間は嫌いじゃなかったが、私が非常に不愉快だったのは「練習の時間」だった。

「じゃ、一回通してみよっか」と、そのバンド内ではリーダー的立ち位置にいるユウタが合図をとってバンドの演奏が始まると、出だしから、本当にチューニングしたのか?と思うほどのギターの音程ズレ。

周りの楽器の音に負けすぎてなんと歌っているのかわからないボーカル。

てめえは四分打ちすらまともにできねえのか、と思うドラム。

そして、「あの~、コードというものご存知です?」という演奏をするベース。

まあ、とにかく下手くそだった。

楽譜が読めなくても、感覚で弾ける

ただ、私は無闇やたらに「下手くそだ」と貶すような人間ではない。上手い下手、なんてものは、私が伝えるべきことではない、というのは心得ている。

問題はそこからだ。ユウタは口をひらく。

「いや~やっぱ俺、楽譜とか読めねえわ。全然意味わかんねえ。でも感覚で弾けるし、音楽勉強しようとか思ったことないんだよね」

やめろ……、それ以上言うな……。

下手くそなのは100歩譲って許そう。世の中には才能の有無ってものもある。ただ、そんな自分を省みず、それに加え「音楽は勉強しない」だと……?

楽譜が読めないとか、感覚的なもので弾ける、とかそんなこと言っていい日本のバンドマンは向井秀徳くらいしか私は認めないぞ!?!?

しかも、「音楽勉強するなんて」と思っているバンドマンが一定数いるが、お前らは最近急上昇で伸びてる「King gnu」という音楽エリートバンドを知らないのか!?今までお前達がのうのうとのさばって生きてきたバンド業界も、やっぱりちゃんと音楽勉強してきた奴らが勝つという構図ができあがりつつあるというのに!?

と、心の中で叫びながらも、こういうことを考えずに「とにかく格好いいと自分が思うセリフ(=音楽勉強してないけどできる俺、発言)」を吐いてしまうのがバンドマン。そこが可愛いところだ。

コードって、コンセントのこと?

「なあ、中央線ちゃんもコードとか全然わからなくね?」と、共感を求めるユウタ。

先述だが、ユウタは私の通っている大学のことすらあまり知らない。つまり私のことをあまり知らない。

ユウタが知らないかもしれないが、私は3歳からピアノを始め、小・中・高を吹奏楽部で過ごし、大学は音楽専攻の学部に進学し、コードなんてものの理論は小学生の頃には理解していたし、そんなことも知らない人が音楽やってると主張している事実自体が受け入れ難いものがあったし、この人は私になんてことを聞いているのだ、と思ったけれど、

「うん、コードってなに??コンセントに繋ぐコードのこと?」

と、とぼけた回答をするのが私なのだ。

私が馬鹿なのか?それともバンドマンがクズなのか……。

タバコを吸っている姿だけはカッコいい

ユウタとはそんなに長続きもしなかったし、今となってはなんで好きだったの?と思うけど、バンドの練習が終わって気だるそうにタバコ吸ってる姿を見てる時だけは、この人って格好いいなあ……と思ってたから付き合ってたんだと思う。(浅はかな理由)

でも同様の言い訳で音楽を学ばないバンドマンにはたくさん出会ってきたので、これが共通の生態であるということは、なんとなく知ることができてよかった(笑)。

今日のバンドマンあるある

「音楽の勉強はしてないけど、『感覚で演奏できる自分=格好いい』の方程式を主張したがる」

まぁ、そういう人たちは同じ層の人たちと仲良くしてくれ。くれぐれも「レコ発ライブします!」とかって、聞き苦しい音源を発売して、まばらなお客様でのワンマンライブとかしないように。(言い過ぎたごめんね、バンド活動というものは好きにやってくれ。バンドマンが絶滅されては困る)

ライター:中央線の女

名前の由来はなんとなく、中央線沿いに住んでる女はみんなバンドマン好きそうだな、と思ったから(すごい偏見)。実際は、東京にすら住んでいません。自己犠牲の精神がスゴイのか、愛すべきクソバンドマンたちに振り回される日々です。

※この記事は、以前筆者が運営していた音楽サイト「バンド部ねっと」から移行した記事となります。