元スタジオ店員が肌で感じた、スタジオ利用時の注意点とNG行為4つ
バンド練習や音楽レッスンなどで、リハーサルスタジオ(リハスタ)を利用したことがある人も多いと思います。
どの世界でもあることだと思いますが、人と関わる場面であれば、お互いが気持ちよく接することが当然ベストです。ただし、中には知らないうちに「この人迷惑だな」と思われている可能性が残念ながらあります。かく言う私も、音楽スタジオで働いてからNG行為をしていたと気づくことがありました。
また、初めてスタジオを利用するといった人の場合は、どんなことに注意すればいいのか心配になってしまうかもしれません。
今回は音楽スタジオを利用する上での注意点やNG行為4つを、東京都内で最大級の店舗数を有する大手音楽貸しスタジオのSOUND STUDIO NOAH(サウンドスタジオノア)の某店舗で働いていた筆者がお伝えしていきます。チェックしていきましょう!
スタジオ利用のNG行為
時間通りに退出しない
一番のNG行為がこの行為です。
どのスタジオでもご予約時間ちょうどに次のお客様に入って頂けるように心掛けています。「5分前退出をお願いします」という貼り紙を見たことある方もいると思います。そのため終了時間が近づいたら室内にフラッシュがつきます。それがついたら「そろそろ終了なので退出準備をしてくださいね」という合図です。
それでも退出が間に合わないと感じたら、スタッフが入室し、片付けの手伝いを行います。スタッフが入室してから片付ける方が非常に多かったのですが、それでは間に合わないケースもあります。
次の方が時間通りにスタジオ入りできず、クレームになることも稀にありました。スタッフにクレームが来ればまだ良いのですが、お客様通しのトラブルになってしまった事例もあるので、気をつけてくださいね!
と言っている私も、スタジオで働く前は時間内退出をやったことありませんでした(笑)。フラッシュがついたら「テンション上げて演奏してください!」と言われているのだと勘違いをしていました。「なかなか粋な演出だな」と感心していましたが、今思えばとても恥ずかしい勘違いです。
スタジオを使い慣れていない方はやってしまいがちですが、スタッフ泣かせのNG行為ですので、ぜひ時間内退出を心掛けて下さい。
アンプの上にドリンクを置く
意外に思われるかも知れないですが、この行為もあまりやって欲しくありません。
ただし、全てのアンプに対してではありません。主にMarshall(マーシャル)です。どのスタジオでも1台は設置されている人気アンプです。
なぜこのアンプかというと、アンプ上部に熱を逃がすために通気口があります。その上にドリンクを置かれると、液がアンプの中に入り故障の原因になります。
最近ではドリンクホルダーが設置されているスタジオもありますのでそこ以外の設置は控えましょう。壊れたからといってスタジオから請求されることはあまりありませんが、上記内容以外でも故意に機材を壊してしまえば当然何らかの罰則が与えられる可能性があります。そうならないように気をつけましょう!
アーティストに声をかける
当然プロ、アマチュア問わず色々なアーティストがスタジオを利用します。テレビや有名なフェスに出演するようなアーティストを見かけることもあると思います。自分が好きな方を見つけた時は、思わずテンション上がってしまうかもしれませんがそこは抑えてください。スタッフでも声はかけません。
とはいえ、皆さんはスタッフではないので、こっそり声をかける分は問題ないかと思います(こんなこと言って良いのか分かりませんが……)。
ただ一番の問題は大声で話しかけることです。
「〇〇さんですよね!!いつも見てます。握手してください!サインください!」と他のお客様がいるロビーで大声で話しかけてしまったら、そのアーティストも気まずいと思います。
「お前もサインもらっとけよ」などとバンドメンバーに言ったとなれば、その方はどんな気持ちになるでしょう?大事なミーティングをしている時なら、なおさらです。
ただ、アーティストの方も鬼ではありません。
自分の活動を認められ、応援してくれる人が目の前にいる。しかも自分と同じように音楽活動をしている、となればその方も応援してくれると思います。よほど急いでいない限りきちんと接してくれると思います。もし、話しかけたり、握手を求める際は、周りに聞こえる様な大声は避けましょう。
ロビーを占領する
あまり見かけませんでしたが、1フロア1スタジオという作りのスタジオで見かけることがありました。つまり、荷物をスタジオに入れず、ロビーに出しっ放しにする方が稀にいました。
1フロアに複数のスタジオが併設されていれば共有スペースという認識がある様ですが、1フロア1スタジオでもロビーは当然共有スペースです。確かに予約時間内は誰もそのフロアに近づきませんし、我々スタッフもロビーに出ている荷物に触れることはありません。
ただし、終了時間間際になると次の方が、そのロビーで待つことがあります。そんな時にロビーに荷物が散らばっていたら、その方の居場所がありません。ロビーに限らず、スタジオの外に荷物を出す方がいますが通行の妨げになりますし、盗難の恐れもあります。その場合、スタッフは責任は負えません。
スタジオの外は共有スペースである、という認識を持って、他の方も使いやすい様意識してくださいね。
終わりに
人と関わる仕事だからこそ、お客様にも気をつけて頂きたい、という思いからこの様な記事を書きました。細かなことも多かったかと思いますが、あくまでも働く側から見た目線です。
どんな仕事でも働いて初めて気づくことは多いと思います。お互いが気持ちよく接することのできるようにしていきましょう!
※この記事は、以前筆者が運営していた音楽サイト「バンド部ねっと」から移行した記事となります。