音楽スタジオの受付バイトってどんな感じ?元大手リハスタ勤務が仕事内容を解説!

音楽コラム
音楽スタジオイメージ

バンドを組んでいたり、個人練習でボーカルやドラムの練習をするとなると、絶対に利用することになるのが音楽スタジオです。

リハーサルスタジオ(リハスタ)とも呼ばれ、バンドマンや音楽家の練習には欠かせない場所ですが、そこに入って初めに目にするのは受付のスタッフ。そんな音楽スタジオにいる彼ら・彼女らが、1日の勤務時間をどうやって過ごしているのか気になったことはありませんか?

また、バンドマンの中には普段のアルバイトとして馴染み深いリハスタでバイトしたいと考えている人もいるかも知れません。

今回は「音楽スタジオで働くことに興味はあるけど業務内容が分からない」「普段利用しているスタジオの裏側を知りたい」という方のために、東京都内で最大級の店舗数を有する大手音楽貸しスタジオのSOUND STUDIO NOAH(サウンドスタジオノア)の某店舗で働いていた筆者がその業務内容を徹底解説します!

音楽スタジオの基本は接客

なんといっても、音楽スタジオの受付スタッフの基本は接客となります。

当たり前過ぎて拍子抜けかもしれませんが、これ大事なことなんです。音楽スタジオも言ってしまえばサービス業です。お客様あってのことなので接客はとっても大切です。

音楽スタジオの接客内容を具体的に解説すると、まず来店頂いた方から会員証を預かります。それを元に氏名・予約時間・レンタル機材の有無などを確認して、予約されている時間がきたらスタジオへ案内します。

予約応対は超大事

もう一つの大事な業務といえば、予約電話の対応があります。

ぶっちゃけ、音楽スタジオの仕事って、予約が入っていなければスタッフはただただ暇なだけなんですよね。

次回のスタジオの予約は、会計時にその場でしてしまう方もいますが、多くの人は電話予約で押さえています。その際の予約電話には対面での接客時と同様、丁寧な接客は心がけています。

また、予約電話を対応する際、「日付」と「時間」のチェックは必須です。いざ来店していただいても日付や時刻の間違いがあったらクレームもの。どんなに相手が急いでいても必ず最後に確認する必須項目となっています。

なお、スタジオの転換が行われる15時や15時半などといった00分近く、30分近くの時間はスタッフも後述する転換作業を手伝っていることが多いので、予約電話に出れなくなってしまうことが多いです。

スタジオに予約の電話をする際は、できるだけこれらの00分近く、30分近くを避けたタイミングで行うことをおすすめします。(そして、スタッフもそれを希望しています!)

最近ではスタジオの予約をインターネットから行えるWEB予約のシステムを導入しているスタジオも多くなってきました。これらのWEB予約の対応もスタッフの仕事。PCを使って、WEBから入った予約をスタジオのスケジュールに入れていきます。

ただし、操作自体はとても簡単な作業なので、PCに慣れていない方でもすぐに覚えられる程度の操作手順となっています。

清掃・機材メンテナンス・転換補助

ここまで接客の話でしたが、それ以外は何をしているのか?

音楽スタジオの仕事の殆どは上記した接客となりますが、その他やる業務内容としてはざっと挙げると以下のようなものがあります。

清掃

清掃業務はその名の通り、スタジオの部屋が空いている際に掃除機を書けたり、鏡を拭いて綺麗にするなどの清掃業務です。

スタジオの部屋だけでなくとも、トイレや喫煙所があるスタジオであれば喫煙所、待合場(ロビー)の清掃もお客さんがいない隙に済ませています。

転換補助

転換補助は、その名の通りスタジオが終了する前にお客様と一緒に片付けをお手伝いする業務となります。

基本的にはお客様はギターやベース、エフェクター、自分のシールドなど自分の片付けに忙しいのでスタッフはレンタル機材のマイクやマイクケーブルを片付けたり、マイクスタンドやドラムを戻したりなどをお手伝いすることが多いです。

お客様の片付けを手伝って速やかに退出していただくことで、次のその部屋を使うお客様を待たせることなく、なるべく早く通せるようにするのが大事なポイントです。

なお、音楽スタジオを一度でも利用したことのある方ならわかると思いますが、スタジオ時間の終了10分から5分くらい前になると、部屋内に設置されているフラッシュが点滅します。

あれは「そろそろ予約していた時間が終わりなので終了して片付けてください」というスタッフからの合図。ほとんどのスタジオではスタッフが実際に点滅させるスイッチを手動で入れています。

そのため、その部屋の次の時間に予約が入っていない場合など、絶対に時間内に退室してもらわなくても問題ないようなときであればフラッシュは点滅させないこともあります。

機材メンテナンス

機材メンテナンスは、レンタル機材のメンテナンス作業です。基本的にはレンタル機材のエフェクターの電池を取り替えたり、レンタルギター(ベース)の弦を張り替えたり、割れたシンバルの交換を行ったりというのが主な作業です。

また、「アンプのつまりを回した際のガリ音は出ないか」「シンバルは割れやヒビ、欠けがないか」などといった項目も定期的にチェックしています。ただし、これらについては多くがお客様からいただく「アンプが変なんだけど」「シンバルが割れちゃった」といった声で知るのが多いですが。

メンテナンス項目は挙げ出したらキリがないです。初めは楽器の知識があまりない人でも、スタジオで勤務しだせば機材メンテナンスの知識は自ずと付いていくので、心配する必要はありません。

なお、メンテナンスではないですがリハーサルスタジオで働くからには、PAミキサーの基本操作を覚えるのは必須となります!

お客様から「マイクの設定がわからないんだけど」という声を頂くことも多いので、迅速に対応できるようにミキサーの操作は必ず覚えるようにしています。ただし、これもまた自ずと知識はすぐに付くので、心配するほどのことではありません。

終わりに

今回ご紹介した接客対応・予約電話対応・清掃・転換補助・機材メンテナンスといった業務以外にも、スタジオバイトの業務内容には数多くの作業があります。ただし、基本はどれも軽作業といったことばかり。

きつい仕事内容ではないので、音楽好きの人であれば天国のような職場となるでしょう! 初めは音楽の知識がない人であっても、プロ・アマチュア問わず様々な方がお客様として利用するので、音楽の知識は嫌でも身につきます。

ただし、その分時給が低めになってしまうのは残念な点ですが……。

また、音楽スタジオのスタッフには、バンドマンという特性上(?)、見た目がちょっと怖い感じのいかついスタッフも多いですが、その多くは気さくな人ばかりです。

スタッフには機材の知識も豊富な人が多いので、なにか機材で気になること・おすすめの機材の相談などありましたら、一度話しかけてみることをおすすめします。

※この記事は、以前筆者が運営していた音楽サイト「バンド部ねっと」から移行した記事となります。