Y!mobileのiPhone用SIMカードをモバイルルーターで使うときのAPN設定方法

雑記

2020年4月8日から本格始動する楽天モバイルのMNOサービス、「Rakuten UN-LIMIT」用としてHuaweiのモバイルルーターであるSpeed Wi-Fi NEXTシリーズの「W03」「W04」「W05(HWD36)」を買い集めている。

これらW05などのルーターは、UQWiMAXとauのWiMAX用の端末としてSIMカードと一緒に販売されていた旧モデルだが、Twitterで集めた情報により実はSIMフリー端末であることが判明。(ただしW06以降は楽天モバイルでは使用できないので注意)

また、先行サポーターとしてMNO版楽天モバイルを利用していた方々により、動作報告も数多く広まっているので、本格的にサービスが展開される前の今のうちに安く手に入れておこうと、合計で4台をゲット。

どれもメルカリやヤフオクなどでクーポンなども駆使して、1,000円〜2,000円前後と格安で入手。自分が契約した1回線以外に、母親と弟もそれぞれ1回線ずつ契約をしたので、それぞれに使っても予備で一個余る数を手に入れられた。

この記事を書いている4月1日の段階ではまだMNO版楽天モバイルは利用できないので、自宅に届いた時点で動作確認のためにと、自分のメイン回線であるY!mobileのSIMカードを入れてみてネットに繋いで見ようとAPN設定を行ってみた。しかし、それがいくらやっても圏外になってしまい、ネットに繋ぐことができなかったのである。

Y!mobileのiPhone用SIMカードは特殊なAPN

結果的には、つまずいていた原因は自分がやっていたAPN設定項目が間違いっていただけと非常にシンプルなもの。

Googleで普通に「ワイモバイル APN」などと検索して出てくるY!mobile公式ページに書かれている「plus.acs.jp」で行うAPN設定はAndroid端末用のSIMカードのもので、iPhone用のSIMカードの場合は以下のように行う。

  • プロファイル名:Ymobile(任意)
  • APN(接続先情報):kqtqjs
  • ユーザー名:tnsrknk
  • パスワード:cmtknrn
  • 認証タイプ:PAP or CHAP
  • IPタイプ:IP v4 & IP v6

Y!mobileのSIMカードには3種類ある

実はY!mobileのSIMカードには、Micro SimとNano Simといった違い以外にも、大きく分けて3種類が存在する。

一つが筆者が現在メイン回線として使用しているSIMカードの「n141」で、こちらはY!mobileでiPhoneシリーズを契約したときに渡されるiPhone専用のSIMカードとなる。

それに対して、「n101」と「n111」といった種類のSIMカードがY!mobileでAndroid端末を契約したときや、SIMカード単体で契約したときに渡されるSIMカードとなる。

注意点となるのが、あくまでiPhone専用となっている「n141」をAndroid端末や今回のようにモバイルルーターなどに入れて使うときは動作保証がされていないため、万が一通信状態が不良になってしまったとしても、自己責任になってしまうとのこと。

そのため、Y!mobile側も嫌らしくn141用のAPN設定は公式には公開をしていないと推測できる。

なお、iOSバージョンが12.1.1以降のものになっているSIMフリーのiPhone端末であれば、n141のAPN設定を手動で行わなくとも、SIMカードを挿入しただけで自動で行われるようになっているとのこと。

筆者もそもそもは現在契約しているSIMはiPhone SEを契約したときのものだが、現在は中古で入手したSIMロック解除済みのiPhone 7で使っているが、購入したときにAPN設定を何も行わずに使用できたのにはこのようなカラクリがあった様子。

W03, W04, W05でのAPN設定方法

W05などでAPN設定(プロファイル設定)を行う方法もついでながら解説しておくと以下の通り。

まず、モバイルルーター本体にSIMカードを挿入してから、ルーターのネットワークにPCを接続する。ここではまだAPN設定ができていないため、ネットは圏外になってしまう。裏の無線LAN初期設定のシールが剥がされていて不明な場合は、「情報」→「SSID情報」から初期設定のネットワーク名とパスワードがわかる。

次にルーターのIPアドレス「192.168.100.1」にアクセスし、ルーターのログイン画面にアクセスする。

ユーザー名は「admin」、パスワードはIMEI番号の下5桁の数字が初期設定になっているので、そちらを入力しログインする。「端末操作中のためログインできません。」と表示された場合にはルーター本体の電源ボタンを押し(長押しではない)、画面を落とすとログインできるようになる。

ログインパスワードの強度が低すぎるから変更するように求められるが、気にならなければそのまま「後で」をクリック。

ログインしたら、上部のメニューから「設定」をクリックし、「プロファイル設定」を選択。

「新規」をクリックし、ルーターに挿したSIMカードに沿ったプロファイルを入力し、「保存」。画面が変わるので3秒経過してから「続行」をクリックして完了となる。

ルーターが圏外のままであれば、再起動をすることで接続するようになる。

W03, W04, W05の速度比較

最後に今回入手したW03, W04, W05,それぞれの通信速度をSpeedtest by Oolkaを使用してMacとiPhoneで計測した結果を掲載しよう。使用したのは15インチモデルMacBook Pro(2019年)とiPhone 7となっている。

Speed Wi-Fi NEXT W03

  • Mac:下り9.00Mbs / 上り4.59Mbs
  • iPhone:下り5.12Mbs / 上り4.98Mbs

(下り最大速度:370Mbps / 上り最大速度:25Mbps)

Speed Wi-Fi NEXT W04

  • Mac:下り3.59Mbs / 上り1.19Mbs
  • iPhone:下り2.67Mbs / 上り2.09Mbs

(下り最大速度:758Mbps / 上り最大速度:37.5Mbps)

Speed Wi-Fi NEXT W05

  • Mac:下り1.00Mbs / 上り2.11Mbs
  • iPhone:下り0.71Mbs / 上り1.90Mbs

(下り最大速度:758Mbps / 上り最大速度:112.5Mbps)


結果としては、一番古いモデルでかつスペック上では一番通信速度が遅いはずのW03が一番速く、反対に一番速いはずのW05が一番遅いというなかなか衝撃的な結果となった。

ただしこれは測定前から予想していたが、そもそもルーター本体に表示されていた電波状況がW03が一番良好で、W04とW05だと電波が一本や二本といった状況だったというのが原因だ。

やはりこれらのルーターは元からau回線用に作られているだけあって、筆者の部屋など設置場所によってはSoftbank回線の電波の取得は得意ではないのかもしれない。

事実、これらのルーターはSoftbank回線のプラチナバンドであるバンド8(900MHz)に対応していないので、山間部や建物内など一般的に電波が繋がりにくい場所は不利になりがちだと思う。

とはいえ、あくまで筆者はこれらのルーターを楽天モバイル用に購入したので、自社回線のバンド3とパートナー回線(au)で使うバンド18に対応していればOKなのである。

終わりに——買うならファームウェアのバージョンに注意!

最後に注意点として書いておきたいのが、筆者のようにこれらのW03, W04, W05を中古で購入してMNO版の楽天モバイルで使用したい方は、ファームウェアのバージョンに注意してほしい。

au側も自社から出していたルーター機を他社回線で使用されるのが嫌だったのか、2018年2019年頃に公開されたファームウェアのアップデートから、バンド3が塞がれてしまった。

そのため、楽天モバイルで使うのであれば新しいファームウェアにアップデートされていないものを探して購入するようにするか、自前でファームウェアをダウングレードする必要がある。

ただし、ファームウェアのダウングレードについては筆者も2台で行ったが、最悪文鎮化してしまうリスクもあるとのことなので、くれぐれも注意して自己責任で行ってほしい。(2020年4月1日時点で、ダウングレード用のツール等は5chから入手することができる)

それぞれのルーターでバンド3が塞がれるファームウェアは以下の通りなので、これらのバージョン以降になっているものは購入しないことをおすすめする。

それぞれのルーターのバンド3に対応しているファームウェアのバージョンと、対応していないファームウェアのバージョンは以下の通り。

バンド3通信可能(楽天モバイル対応)

W03 11.420.07.55.824(2017年04月11日公開)
11.420.07.70.824(2017年06月29日公開)
W04 11.450.03.90.824(2017年05月16日公開)
11.450.05.20.824(2017年06月29日公開)
11.450.05.34.824(2018年03月06日公開)
11.450.05.45.824(2018年04月12日公開)
W05 11.450.07.31.824(2018年04月12日公開)

バンド3通信不可(楽天モバイル非対応)

W03 11.420.09.10.824(2019年05月09日公開)
W04 11.450.05.52.824(2018年12月18日公開)
W05 11.450.09.13.824(2019年01月22日公開)
11.450.09.20.824(2019年08月22日公開)

もう少しで楽天モバイルも本格始動するので、今後はこれらのルーターを使用して楽天モバイルを駆使して、レビュー記事を書いていきたいと思っている。