WordPressの本番環境からローカル環境へコピーを移行する方法

WordPressで運用しているサイトを、「Local(旧Local By Flywheel)」で自分のPC上に構築したローカル環境に複製する方法を解説します。
Localは以前こちらのブログでも紹介したWordPressのローカル環境を最も簡単に構築できる無料アプリケーションで、Windows・Mac・Linuxに対応しています。
今回はそのLocalを利用して、実際にサーバー上に公開して運用している本番環境のサイトの完全コピーとなるものを、ローカル環境上に作ってしまうアイデアとなります。このような本番環境の完全コピーをローカル環境に持っておくことで、本番環境に触れることなく新しいプラグインやテーマの変更、CSSデザインなどを好きなだけ試すことが可能になります。
なお、筆者の使用環境としてPCはMacを使用していますが、今回の作業についてはWindowsであっても、はたまたLinuxであってもほぼ変わりはないので、Macユーザー以外の方も参考にしてください。
本番環境からローカル環境へのコピー方法
Localのインストール
WordPressのローカル環境を構築するツールについては、Mac向けのMAMPやWindows向けのXAMPPなどがありますが、今回は最も簡単にコピー環境を作成できる「Local(旧:Local By Flywheel)」で行います。
まだLocalをインストールしていない方は先にインストールを行ってください。アプリのダウンロードは以下の公式HPから無料で行えます。
現在では有料版の「Local Pro」も公開されていますが、今回解説する使用方法では無料版で充分です。詳しいインストール手順については、以前当ブログで公開した以下の記事を参考にしてください。
無料版Local(旧Local By Flywheel)ならMacでのWordPressローカル環境もささっと構築できる
本番環境からBackWPupで一括ダウンロード
ここから、本番環境からローカル環境へのコピー作業のスタートとなります。
Localでコピー環境を構築する際に必要となるのは、本番環境の「データベース(SQLファイル)」と画像やテーマなどすべてのデータが含まれた「wp-content」フォルダ」の二つで、これらを一つのZipファイルとしてまとめてからLocalにインストールするだけで完了となります。
この二つの取得方法は、色々とやり方がありますが、今回はバックアッププラグインの「BackWPup」を使用して、データベースとwp-contentを一括でダウンロードする方法を取ります。
それぞれを別々に取得する必要もないので、おそらくこの方法が初心者にとって最も簡単かと思います。具体的な詳細な手順については、以下の記事で解説しているので参照ください。
なお、上記記事でも解説しているように、バックアップを作成する前にはセキュリティ系のプラグインを停止しておくようにしてください。
サーバーの移転時の場合は、できれば停止ではなく削除することが推奨されていますが、今回はローカル環境を構築する程度なので、それほど神経質にしなくとも停止で問題ありません。
- SiteGuard WP Plugin
- Jetpack by WordPress.com
筆者が停止させたプラグインは上記の二つですが、これらに類似にしたプラグインを入れている場合は、念の為に停止しておくと良いでしょう。
また、アーカイブ形式は「Zip」にしておくと、ダウンロード後にわざわざZipにする必要もなくなるので、Zipにしておいてください。
「DBバックアップ」設定下の「バックアップファイルの圧縮」については、標準で「なし」になっているためそのままで問題ありませんが、万が一「GZip」にチェックが入っていた場合は、「なし」に変更してください。
ダウンロード完了後、このようにダウンロードフォルダにZipファイルで保存されていればOKです。
万が一アーカイブ形式をZip以外でダウンロードした場合や、データベースとwp-contentを他の方法でダウンロードした場合であれば、上記のようにデータベース(SQL)とwp-contentを選択した上で、一つのZipファイルとして圧縮します。Zipのファイル名は何でもOKです。
LocalにZipファイルをドラッグ&ドロップする
Zipファイルのダウンロードが完了したら、Localを起動します。
トップ画面などLocalの適当な画面のまま、先ほどのZipファイルをドラッグ&ドロップすることで、上記画面のように「Drop import to site!」と画面が切り替わるので、そのままマウスを離すことでインストール画面になります。または上部メニューの「File」下の「Import Menu」からでも同じことが行なえます。
Zip内のデータベース(SQL)とwp-contentの内容から、サイトのインポートと自動的に判断されるので、新規サイトの追加画面へと切り替わります。
Local site nameは、Zipのファイル名がそのまま反映されるので、わかりやすく「LOCALCOPY」など、適当に半角英数字で入力し直してください。
ここで入力したサイト名がデフォルトではローカル環境でのドメインにもデフォルトでは反映されるので、変更したい場合は下の「ADVANCED OPTIONS」でドメインを変更してください。
次の「Choose your environment」では、PHPバージョンやWEBサーバーの設定を行えますが、基本的に「Preferred」で良いでしょう。本番環境と全く同じ運用環境にしたい場合はCustom項目から変更してください。
最後に「IMPORT SITE」をクリックすることで、サイトのインポートが開始されます。
途中コンピュータ管理者の許可が必要になった場合はパスワードを入力してください。
正しくインポートされたかチェックする
数十秒から数分でインポートが完了すると、上記のようにLocal上にただいまインポートを行ったサイトが追加されています。「VIEW SITE」をクリックして、実際に問題なくコピーできているか確認します。
トップページだけでなく、複数のブログ記事や画像も確認し、ドメインがすべてローカル環境のものになっているか確認して問題なければ、無事完了となります。
なお、本番環境でアドセンス広告が挿入している箇所については、上記画像のように空白のスペースとなっています。
再びLocalの画面に戻り、「ADMIN」をクリックすることで、管理画面に進みます。ユーザー名とパスワードについては、いずれも本番環境で使用しているものと全く同じになります。
今回作成したコピー環境を自分しか使わないのであれば、管理画面へログイン後に簡単なものに変更しても良いでしょう。ただ楽という意味だけでなく、このように本番環境と変えておくことで、うっかりコピーのつもりで本番環境にログインしていたなんていうケアレスミスを防げます。
終わりに 超カンタンに進化していたLocal
旧タイトル「LOCAL by FlywheelとBackWPupで! ワードプレスサイトの完全コピーを、Macのローカル環境上に構築する」を公開してから、約二年半前ほどたち、この度リライトしましたが、この間にLocalは大きく進化しました。
旧タイトルで公開当時のコピー環境の大まかな手順は以下のような流れで、なんだかんだとステップは多くありました。
- BackWPupで本番環境からデータベース等をDL
- Local By Flywheelに新規サイトを追加
- ADMINERにログインしてデータベースを本番環境のものに入れ替える
- 「public」フォルダ内すべてのファイル等を本番環境のものに入れ替える
- 「wp-config.php」のデータベース情報などをLocal用にテキストエディタで書き換える
- 「Search Replace DBでサイト内のURLを一括置換する
慣れてくればものの数分で行えたものの、慣れるまではなかなか煩雑で、初心者には敷居が高かったと思います。
しかし、現在のLocalでは大雑把に言えば、「データベースとwp-contentをZipでまとめて、Localにドラッグ&ドロップ」という非常にわかりやすい手順だけでコピー環境を作ることができるため、正直言ってあまりに簡単すぎてこのような解説記事すら必要ないのでは?と思わせるくらい革命的と言えます。
WordPressを始めたばかりの初心者にも迷うことなく簡単に行えるので、ぜひとも初心者の方も自分だけのローカル環境でコピーを作成した上で、好きなだけサイトのカスタマイズなど試して欲しいと思います。
なお、今回とは反対にローカル環境上で作成したサイトを、実際のレンタルサーバーなど本番環境に移行する手順については、以下の記事で解説しているので、そちらも参考にしてください。