アルバム紹介・解説|クイーン『オペラ座の夜』——最高傑作との呼び声が高い4thアルバムは聴き所満載!

音楽レビュー
クイーン4th『オペラ座の夜』ジャケット

『オペラ座の夜(原題:A Night at the Opera)』は1975年にリリースされたが、現在聴いても全く古びていない。ここにはクイーンの4人のメンバーの底知れぬ才能が結晶していて、どの楽曲も聴き応えたっぷりだ。

シングル・カットされた「ボヘミアン・ラプソディ」は今も20世紀が生んだ名曲の一つとして世界中の人々に愛され続けている。

『オペラ座の夜』は発表が1975年ということが信じられないほどに現代的なのだ。時代が経ても色あせない『オペラ座の夜』はやはりクイーンの最高傑作の一つといわざるを得ない。

Queen – A Night at the Opera|各曲解説

アルバム基本情報

リリース日時 1975年11月21日(英国)
ジャンル ハードロック
収録時間 43分08秒
レーベル EMI

デス・オン・トゥ・レッグス – Death on Two Legs(フレディ・マーキュリー)

この楽曲はフレディ・マーキュリーが恨みを持った人物へと捧げたナンバーといわれている。フレディ・マーキュリーの一聴すると美しい旋律なのだが、どこか毒気のあるピアノ演奏で始まるこのナンバーは、いよいよ「オペラ座」が幕を開けるのを告げるかのようだ。

そして、バンド演奏が始まり、中でもブライアン・メイのギターが暴れ回る。と、また、フレディ・マーキュリーのピアノのソロ演奏に変わり、端から劇的に曲調が変わるのだ。

凝ったイントロが終わるとフレディ・マーキュリーの皮肉たっぷりの歌いぶりに圧倒され、これまた、フレディ・マーキュリーらしい込み入った構成の曲調はクイーンの真骨頂とも思われる難曲であるが、非常に流麗に聴かせるのは流石の一言である。

うつろな日曜日 – Lazing on a Sunday Afternoon(フレディ・マーキュリー)

1曲目の派手なナンバーから打って変わってこの曲は、フレディ・マーキュリーの遊び心たっぷりのナンバーに仕上がっている。古めかしくあえて聴かせるために凝った演出が施されている。

その演出とはスタジオのバケツからのサウンドを録音したといわれていて、それでこのナンバーはいかにも古めかしく聞こえるのであるが、ただ、曲の構成はフレディ・マーキュリーならではの難曲といえ、それを軽々しく演奏しきってしまうクイーンというバンドは流石としかいえない。

アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー – I’m in Love With My Car(ロジャー・テイラー)

派手なブライアン・メイのギターが唸る中、ロジャー・テイラーが、自ら作曲した野太いロック・ナンバーを力強く歌い上げている。この曲はロジャー・テイラーもフレディ・マーキュリーの影響を受けてか、大変凝った構成のナンバーに仕上がっていて、これまでのストレートなロック・ナンバーとは一線を画している。

それにしてもこの曲で、ブライアン・メイは魔法使いのような巧みなギター演奏を聴かせていて、聴き応え十分である。

マイ・ベスト・フレンド – You’re My Best Friend(ジョン・ディーコン)

この「マイ・ベスト・フレンド」もクイーンを代表するナンバーで、誰もが一度は耳にしたことがあると思われる。手がけたのはジョン・ディーコンで、その作曲能力はただならぬものを感じる。

リード・ヴォーカルはフレディ・マーキュリーが務めていて、とても愛情あふれる温かみが感じられる歌声で、友を思う心情を切々と歌い上げている。クイーンのコーラスも美しい名曲だ。

’39 – ‘39(ブライアン・メイ)

フレディ・マーキュリーとは違った味わいがあるこれまた込み入った曲を書くブライアン・メイだが、このナンバーは、アコースティック・ギターをメインに古き良き時代の面影が感じられるトラディショナルな曲に仕上がっていて、心がほのぼのとする一曲だ。

フレディ・マーキュリーもそうだが、ブライアン・メイも変幻自在な曲作りをしていて、その才能には感嘆する他ない。

スウィート・レディ – Sweet Lady(ブライアン・メイ)

前曲とは打って変わって、エレキ・ギターが炸裂するとても凝ったナンバーをブライアン・メイは書いている。ブライアン・メイのドライヴ感あふれるギター演奏がとにかく光るナンバーで、曲調は非常に入り組んだ構成になっている。

リード・ヴォーカルはフレディ・マーキュリーが務めていて、フレディ・マーキュリーの歌のうまさが際立つ一曲で、また、このナンバーでもクイーンのコーラスは美しいと感じ入ること間違いなしだ。

シーサイド・ランデヴー – Seaside Rendezvous(フレディ・マーキュリー)

フレディ・マーキュリーはどうしてこうも自在に曲が作れるのであろうか。このナンバーもフレディ・マーキュリーの遊び心満載のナンバーで、レビューを見ているかのようなナンバーで、フレディ・マーキュリーのピアノ演奏も光る一曲だ。

また、フレディ・マーキュリーの巧みな歌いぶりには感心させられる他なく、何とフレディ・マーキュリーは歌がうまいのだろうか。この表情豊かな歌いぶりには感心しきりだ。

予言者の唄 – The Prophet’s Song(ブライアン・メイ)

ブライアン・メイらしい非常に入り組んだ難曲に仕上がっていて、リード・ヴォーカルもブライアン・メイが務めている。このナンバーでもクイーンの美しいコーラスは健在で、それが、このナンバーの劇的な展開を更にドラマチックなものにしていて、聴き応え十分だ。

スタジオ・ワークの賜物だろうが、クイーンのコーラスはまさにクイーンの飛び道具と化していて、楽曲が華美で美しさにあふれるものへと変化し、そのドラマ性が際立つ一曲となっている。

ラヴ・オブ・マイ・ライフ – Love of My Life(フレディ・マーキュリー)

とても美しいナンバーだ。人生賛歌を歌った一曲で、フレディ・マーキュリーのピアノの弾き語りで歌い上げられるナンバーでもコーラスが更にこのナンバーに美しさを加えていて、心に染みる作品になっている。

それにしても、フレディ・マーキュリーが書くバラード・ナンバーは天下一品で、その旋律にうっとりする。このナンバーもドラマチックで、聴くものの心を揺り動かさざるを得ないのだ。

グッド・カンパニー – Good Company(ブライアン・メイ)

ブライアン・メイのバンジョーがとても印象的なナンバーで、リード・ヴォーカルはブライアン・メイだ。また、相変わらず、ブライアン・メイのギター演奏は冴え渡っていて、曲の構成は多少入り組んだものとなっている。

アレンジもとても凝っていて、聴き応えがある。言うまでもないがクイーンのコーラスの美しさは、このナンバーでも健在で白眉だ。

ボヘミアン・ラプソディ – Bohemian Rhapsody(フレディ・マーキュリー)

言わずと知れた名曲中の名曲である。クイーンといえば「ボヘミアン・ラプソディ」と言っても過言ではない。このナンバーにはクイーンの魅力が凝縮していて、フレディ・マーキュリーが書く曲のその入り組んだ曲調、そして、それを難なく弾きこなし、とてもドラマチックに聴かせてしまうクイーンというバンドの力量の凄さなど、どれを取っても一級品である。

また、このナンバーでは美しすぎるコーラスが転調を繰り返す難曲の「つなぎ」となっていて、聴き所満載である。聴き終わってじいんと心に染みてくるフレディ・マーキュリーの絶唱は20世紀の大いなる遺産といっても間違いない。

ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン – God Save the Queen(編曲・ブライアン・メイ)

言わずと知れた英国国歌をブライアン・メイが編曲したものだ。ギター・インストゥルメンタル曲となった英国国歌は、どう聞いてもクイーンの、ブライアン・メイの楽曲と見まがうほどに我が物にしていて、この名作の最後を飾るに相応しい終わり方をしている。

まとめ

やはり、『オペラ座の夜』は全く古びていない。それは何故なのかと考えてみると、クイーンというバンドはこのアルバムで音楽の神髄を確実につかみ取っていて、それに加えて、クイーンの4人のメンバーの羨ましい限りの才能が遺憾なく発揮されているからだろう。

たゆまぬ努力を積み重ねた結果、クイーンは『オペラ座の夜』というとんでもない作品を此の世に残したのだ。何よりも「ボヘミアン・ラプソディ」の凄さには感嘆せざるを得ず、中でも、やはり、フレディ・マーキュリーの才能にはいくら賞賛を送っても足りない。名作中の名作が『オペラ座の夜』だ。

ライター:積緋露雪

1964年生まれ。栃木県在住。自費出版で小説『審問官』シリーズを第三章まで出版。普段はフリーのライターとして活動中。嘗ての角川書店の音楽雑誌「CDで~た」の執筆・編集・企画を担当という経歴の持ち主。

※この記事は、以前筆者が運営していた音楽サイト「バンド部ねっと」から移行した記事となります。